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情報セキュリティマネジメント試験の合格率の推移と勉強時間から見る難易度

情報セキュリティマネジメント

米造
米造

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情報セキュリティマネジメント試験 (以下「セキュマネ」と略すことがあります) は、2016 年(平成28年)に新設された資格で、IT関係の資格の中でも情報セキュリティに特化した資格です。

IT関係の入門資格と言えばITパスポート試験と基本情報技術者試験が有名ですが、そこに新たに情報セキュリティに特化した入門資格が加わったことで受験を検討されている方も多いようです。

この記事では、2023 年時点での情報セキュリティマネジメント試験の最新の合格率の推移と難易度、基本情報技術者試験と比較した難易度をご紹介します。

2023 年4月の試験制度改定に対応した内容で、CBT 試験の合格率もご紹介します。

この記事はこんな方にお勧めです
  • 情報セキュリティマネジメント試験の合格率と難易度が知りたい
  • セキュマネ試験と基本情報技術者試験と比較した場合の難易度を知りたい
  • セキュマネ試験に独学で合格するために必要な勉強時間を知りたい

独学で情報セキュリティマネジメント試験の合格を目指すためのお勧めの参考書勉強方法は「情報セキュリティマネジメント試験に合格できるお勧め参考書と勉強方法」でご紹介しています。

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情報セキュリティマネジメント試験の合格率の推移

CBT 方式開始以前の合格率 (~令和4年秋期)

年度応募者数受験者数合格者数合格率
平成28年春期21,691人17,959人15,800人88.0 %
平成28年秋期22,186人18,630人13,105人70.3 %
平成29年春期21,162人17,045人11,324人66.4 %
平成29年秋期20,907人17,039人8,590人50.4 %
平成30年春期19,300人14,749人7,926人53.7 %
平成30年秋期19,692人15,579人7,220人46.3 %
平成31年春期18,129人13,761人7,148人51.9 %
令和元年秋期18,550人14,355人6,754人47.0 %
令和2年10月9,694 人9,121 人6,071人66.6 %
令和3年春期15,441 人14,089 人7,376 人52.4 %
令和3年秋期16,231 人14,738 人7,949 人53.9 %
令和4年春期14,253 人13,131 人8,033 人61.2 %
令和4年秋期17,069 人15,420 人8,018 人52.0 %
情報セキュリティマネジメント試験 CBT方式開始前の合格率
情報セキュリティマネジメント試験の合格率の推移のグラフ
情報セキュリティマネジメント試験の合格率の推移のグラフ (クリックで拡大・高解像度表示)

令和に入ってからの情報セキュリティマネジメント試験の合格率は 50 %~ 60 %程度で推移しており、令和2年~令和4年の合格率の平均は 57.2 %です。

誰でも受験できる試験で合格率が 50 %を超えるというのは、全く対策をせずに合格できるほど簡単ではないが、参考書を使って勉強すれば誰でも合格できる程度の難易度であると言えます。

CBT 方式開始後の合格率 (令和5年4月~)

令和5年からは CBT 方式の試験の提供が開始されました。

試験の CBT 方式とは

CBT とは「Computer Based Testing」の略で、コンピュータを利用して実施する試験方式のことです。 受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答します。

従来の年2回(春期・秋期)の会場試験とは異なり、年間を通して全国各地のテストセンターで試験が提供されており、受験者は都合の良い日時の試験を予約して受験できます。

CBT 方式の合格率も公開されているのでご紹介します。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和5年度4月2,770 人2,111 人76.2 %
令和5年度5月2,438 人1,906 人78.2 %
令和5年度6月2,279 人1,651 人72.4 %
令和5年度7月2,782 人2,038 人73.3 %
令和5年度8月2,601 人1,963 人75.5 %
情報セキュリティマネジメント試験 CBT 方式の受験者のみの合格率の推移

CBT 方式の受験者のみの合格率はさらに高く 75 %前後で推移しています。

誰でも受験できる試験で合格率 75 %というと、少し対策をすれば誰でも簡単に合格できる程度の難易度であると言えます。

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情報セキュリティマネジメント試験の難易度

情報セキュリティマネジメント試験は ITスキル標準「レベル2」

ITスキル標準とは、経済産業省が定めている個人のIT関連能力を職種や専門分野ごとに明確化・体系化しIT人材に求められるスキルやキャリア(職業)を示した指標のことです。

情報セキュリティマネジメント試験は基本情報技術者試験と並んで レベル 2 に位置します。

ITスキル標準資格名
レベル 4高度情報処理技術者試験(ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト ほか)、情報処理安全確保支援士試験
レベル 3応用情報技術者試験
レベル 2基本情報技術者試験情報セキュリティマネジメント試験
レベル 1ITパスポート試験

ただし、同じスキルレベル2の試験であっても、基本情報技術者試験が開発者側を想定した試験であるのに対し情報セキュリティマネジメント試験はあくまで利用者側を想定した試験であるため、試験内容及び試験対策の方向性に違いがあることに注意が必要です。

合格率の推移から見る難易度

情報セキュリティマネジメント試験の CBT 方式の合格率は 75 %前後で推移しています。

試験の難易度は「非常に易しい」レベルだと言えるでしょう。

情報セキュリティマネジメント試験の難易度は下がった?

CBT 方式の試験が始まって以来、情報セキュリティマネジメント試験の難易度が低下したと言われています。

その理由を解説します。

情報セキュリティマネジメント試験の難易度が低下したと言われる理由は、「CBT 方式は受験者の都合に合わせて柔軟に受験できるため合格しやすいから」です。

CBT 方式には受験者にとって有利な点が2つあります。

  • 自分の都合に合わせて試験日を予約することができる
  • 予約した試験日を変更することができる

いつでも受験できる CBT 方式なら、しっかり試験対策を行って合格を確信できる状態になってから試験日を予約して受験することが可能です。

さらに、予約した試験日を変更できるため、試験日に急な用事が入ったり勉強が進んでいなくて合格できるか不安な場合には試験日を変更して先送りにすることができるのです。

以上の点が、CBT 方式の試験が始まってから情報セキュリティマネジメント試験の難易度が下がったと言われる理由でしょう。

基本情報技術者試験との難易度の比較

情報セキュリティマネジメント試験と同じスキルレベル2の基本情報技術者試験の難易度を比較するとどちらが難しいのでしょうか。

結論から言うと、セキュマネ試験と基本情報技術者試験の難易度に大きな差はありません

セキュマネ試験の CBT 方式の合格率は先ほどご紹介した通り 75 %前後で推移しています。

基本情報技術者試験の CBT 方式の合格率は「基本情報技術者試験の難易度が下がった?その理由と最新の合格率を解説」の記事で紹介している通り毎回 50 %前後で推移しています。

どちらも合格率が 50 %を超えており、参考書を使って普通に勉強すれば独学で十分に合格できる程度の難易度です。

試験内容を比較しても、どちらも過去問の類似問題の出題が多く、長文の読解力などは必要なく単語の意味を問うだけのシンプルな問題ばかりで構成されており対策は容易です。

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情報セキュリティマネジメント試験の勉強時間

検索エンジンで「情報セキュリティマネジメント 勉強時間」と検索すると、資格スクール等のサイトには「未経験者が情報セキュリティマネジメント試験に合格するには 200 時間程度の勉強が必要」などと記載されています。

これを参考にして仮に1日2時間勉強するなら、全くの未経験者の場合は3ヶ月強の勉強期間が必要です。1日1時間なら約7ヶ月強になります。

一方、IT業界での実務経験がある方や基本情報技術者試験などの合格者など、情報処理に関する基礎知識がある方は 100 時間未満の勉強時間で合格できるでしょう。

個人的には、「合格に必要な勉強時間」は個々人の基礎知識や理解力、環境、勉強頻度、勉強習慣の有無など様々な要因によって大きく変動するので気にしても無駄だと考えていますが、気にする方が多いようなので一応記載しました。

なお、言うまでもありませんが必ずしも世間一般で信じられている勉強時間を達成すれば合格できるという訳ではありませんし、5分の1以下の勉強時間でも合格できる人はいます。

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情報セキュリティマネジメント試験のお勧め参考書と勉強方法

独学で情報セキュリティマネジメント試験の合格を目指すためのお勧めの参考書勉強方法は「情報セキュリティマネジメント試験に独学で合格できるお勧め参考書と勉強方法」でご紹介しています。

情報セキュリティマネジメント試験の関連資格・上位資格

セキュマネ試験合格後に情報関係の勉強を続ける方には基本情報技術者試験の合格を目指すことをお勧めします。

午前問題ではコンピュータシステム・など情報技術の基本的な内容に加え、プロジェクトマネジメントや情報システム戦略、経営戦略など、IT人材としての素養を学べます。

午後問題では情報セキュリティ・データベース・ネットワーク・コンピュータアルゴリズム・プログラム開発(プログラミング)など情報化社会の根幹となる技術をテーマにした良問が出題され、システム開発者として身につけておくべき基本的な知識や技術を学べます。

情報セキュリティをより深く学びたい方には上位資格の情報処理安全確保支援士試験もお勧めです。

セキュマネ試験と比較すると学習する内容の専門性が高くなり、一部の設問の解答形式が記述式になるため難易度は格段に上がりますが、合格した暁には情報セキュリティに関するそれなりの知識が身についていることは間違いありません。