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令和元年秋期(2019 年 10 月)のネットワークスペシャリスト試験に合格しました!
10月に受験したネットワークスペシャリスト試験に合格しました
— よねぞう (ビルメン米造) (@bill_yonezou) December 20, 2019
午後Ⅰはギリギリ、Ⅱはバッチリと手応え通りの得点でした
これで来年の秋は宅建を受験できます! pic.twitter.com/pmvdJUIwP9
この記事では、ネットワークスペシャリスト試験に合格するためのお勧め参考書と勉強の流れ、受験のコツなどを、IT業界未経験の僕が独学で合格した経験を基に紹介しています!
ネットワークスペシャリスト試験の難易度と合格率の推移、情報処理安全確保支援士試験や CCNA・CCNP との難易度の比較、合格に必要な勉強時間などは「ネットワークスペシャリストの難易度と合格率の推移、必要な勉強時間」でご紹介していますのであわせてご覧ください!
お勧めの参考書と合格するためのアプローチ
ネットワークスペシャリスト試験に合格するためには次の 3 つのアプローチで勉強することをお勧めします!
- ネットワークスペシャリスト試験の参考書ではなく「専門書」を用いてネットワークに関する技術を学ぶ
- 午後試験対策の参考書を用いて論述式の問題で点数がもらえる解答の書き方を学ぶ
- 過去問を数回分解いて実力チェック+解答の書き方を見直す
1. 専門書でネットワークに関する技術を学ぶ
ここではまず、僕がネットワークの基礎を学ぶために繰り返し読んでいたお勧めの書籍をご紹介します!
ネットワークスペシャリスト試験対策に特化した参考書や過去問だけでは断片的な知識しか学べませんが、これらの書籍で学習すればネットワークに関する幅広い知識を実務上の具体例を基に体系的に学ぶことができます。
ネットワークスペシャリスト試験の対策としてはオーバースペックな書籍ですので、理解するのが難しい部分は飛ばしてしまってもかまいません。2 , 3 周する頃には試験に出題される技術や知識の大部分を網羅できていることでしょう。
マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版)
TCP/IPの入門書の決定版です。これだけは絶対に外せません!
ネットワークの基礎を図表を用いて分かりやすく解説しており、これからネットワークの勉強をする方が一冊目としてまず読むべき参考書です。
このほど 2019 年 12 月 1 日に、時代の変化に即したトピックを加え内容を刷新した第 6 版が出版されたばかりです!
インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門 第2版
400 以上という非常に豊富な図を用いてネットワーク技術の基本から現場の設計ノウハウまでを解説した書籍です。
上でご紹介したマスタリングTCP/IP―入門編―(第6版)でネットワークの基礎を学んだあとの 2 冊目として読めば、具体的なイメージを持ちながらネットワーク設計や構築について学ぶことができます。
VLAN設計、アドレス設計、冗長化、仮想化、オンプレミスなサーバサイトのネットワーク構築に必要な基礎技術と設計のポイントなど、ネットワークスペシャリスト試験の午後試験に出題される分野もカバーしています。
ネットワークの基礎知識が無い人が本書を 1 冊目として読むことはお勧めしません。おそらく理解できません。マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版) を読み終えてから取り組みましょう!
インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク・デザインパターン
上記のインフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門 第2版はLAN構築に特化した内容ですので、それだけでは試験範囲をカバーしきれません。
午後試験に頻出のWAN、拠点間接続、負荷分散などを用いたネットワークの事例を初心者向けに解説したのが本書です。
ほかにも機器構成設計、物理構成設計、VLAN設計、IPアドレス設計、ルーティング設計、STP設計、FHRP設計、スタック構成設計、リンク冗長化設計、帯域拡張設計、経路冗長化設計などが解説されています。
また、本書は対象読者に「ネットワークスペシャリスト試験の受験者」を想定しています。試験に出題される典型的なネットワーク構成を例に挙げて解説されているため、必ず受験の助けになるでしょう!
<主な対象読者>
インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク・デザインパターン 内容紹介 より
● ネットワークスペシャリスト取得を目指すインフラエンジニア
インフラエンジニアの登竜門的な資格のひとつに「ネットワークスペシャリスト試験」があります。
ネットワークスペシャリスト試験の午後Iと午後IIには、必ずと言っていいほど、1問ずつ、
実際のネットワーク環境に即した問題が出題され、その問題の正答率こそが合否の分かれ道になります。
本書は実際によくある典型的なネットワーク構成を規模に分けて詳しく説明しています。
2. 午後試験対策の参考書を用いて論述対策を行う
ここからは、午後試験の論述対策にお勧めの参考書をご紹介します!
知識面でのネットワークスペシャリスト試験の対策は先ほどご紹介した 3 冊で十分ですが、午後試験は出題者の意図を汲み取った解答を論述できなければ得点できません。
「ネットワークの知識があれば論述はぶっつけ本番でどうにかなるでしょう?」とあなどってはいけません。午後試験で合格点を取れずに不合格となる人は口を揃えて「論述の問題で的外れな解答を書いてしまった」と悔やんでいます。
そんな後悔をしないよう、午後試験の論述対策もしっかり行いましょう!
情報処理教科書 高度試験午後I記述 春期・秋期
本書は、高度情報処理技術者試験 全 9 区分に共通して課される、午後 I (記述式) 試験の解答プロセスを細分化し、具体的かつ詳細に解説する、これまでにない午後 I に特化した試験対策書です。
情報処理技術者試験の全区分に複数回合格している著者のノウハウに加え、数々の試験に合格した執筆協力者 21 名(高度系資格取得数のべ116個、合格率平均47.5%)の実体験をフィードバックしています。
【本書の特徴】
- すべての区分に対応 — 共通の基本事項と各区分に特徴的な戦略が学べる
- 安定して高得点を狙うテクニックを満載 — 記述が具体的で独学しやすい
- 視点を強く意識できる — 他の区分と比べることでより明確に理解できる
ネットワークスペシャリスト試験の合格後に情報処理安全確保支援士試験や論文系の高度試験を受験する際にもそのまま使える受験テクニックが満載です!
「ネスペ」シリーズ
SE(システムエンジニア)兼 ITライターの左門 至峰 氏が執筆する「ネスペ」シリーズはネットワークスペシャリスト試験の午後試験対策の定番シリーズです。
一冊丸々 400 ページを過去問 1 年分の午後問題の解説にあてており、「その設問の解答がなぜそうなるのか」という思考プロセスが詳しく解説されています。また、論述式の解答を書く上でのポイントも学べる良書です。
一冊で過去問 1 年分なので数年分を揃えようとすると出費が大変なことになるのがデメリットですが、個人的には本書を何年分も買い揃える必要は無いと考えています。
その理由は、本書を読む目的がネットワーク技術を新しく学ぶことではなく、論述式の問題において IPA の模範解答に至るまでの思考プロセスを学ぶことが目的だと考えているからです。
その目的を達成するためなら、間近の 1 年分か 2 年分を読めば十分です。
令和 3 年のネットワークスペシャリスト試験を受験される方は、令和 2 年の試験を解説した書籍(※)と令和 1 年の試験を解説した「ネスペR1 – 本物のネットワークスペシャリストになるための最も詳しい過去問解説」を準備すれば良いでしょう。
(※)本記事執筆時点では、令和 2 年試験を解説した書籍は未出版です。例年通りなら 2021 年中には出版されます。
3. 過去問を数回分解いて実力チェック+解答の書き方を見直す
1 の「専門書」、2 の「論述対策」を終えたら過去問を数回分解いてみましょう。
過去問題(問題冊子・配点割合・解答例・採点講評)| 情報処理推進機構 (IPA)
※ネットワークスペシャリスト試験は秋期試験のみです。
この時点でIPAの模範解答に近い論述式の解答を書けていれば合格圏内です。
古い過去問は技術面は最近の動向に沿わないものが出題されている場合もありますが、問題を解く練習にはなりますので、納得がいくまで何年分でも解いて練習と見直しを繰り返しましょう!
ネットワークスペシャリスト試験に合格する勉強の流れ
僕がネットワークスペシャリスト試験に合格するために実施した勉強の流れをご紹介します。
なお、出願時点での僕の基礎知識や IT 関係の保有資格などは次の通りです。
- IT 関連の実務経験は一切無し。IT 関連資格は情報処理安全確保支援士試験に合格済み。
- 以前からネットワークやセキュリティ、プログラミングなど ICT には興味があったので趣味で勉強していた。この段階で得ていた知識が非常に役立った。
- 試験 の
1 ヶ月以上前専門書で技術・知識を学ぶこの段階ではまだ試験に特化した勉強は行いません。
お勧め参考書の項でご紹介した 3 冊の参考書を用いてネットワークに関する知識を学びます。
この 3 冊の書籍に登場する技術を理解しておけば、ネットワークスペシャリスト試験に出題される技術的な内容はカバーできます。
- 試験 1 ヶ月前午後試験の対策を開始
試験 1 ヶ月くらい前からは午後試験の論述式問題に特化した対策を始めました。
午後問題の記述式の解答は、簡単に書けそうで意外と書けないものです。
問われていることをに対する解答を頭の中で整理し、それを指定の文字数に収める練習が必要になります。
午後問題の記述式解答で点数を稼ぐコツとしては、例えば以下の 3 点があります。
- 解答には設問中で用いられている用語を使用する
- 指定文字数の 70 % 以上は埋める
- 設問に対して的確に答える (ズレた答えを書かない)
3 つ目の「設問に対して的確に答える」などは非常に重要なポイントです。
例えば「~の目的は何か?」という問いに対しては「~(目的)のため」と答えるのが正解なのですが、いざ自分が試験を受けるとなると「~だから」のようにズレた解答をしてしまう人が多いのです。
午後問題は “こういう設問に対してはこう答える” というパターンがいくつかありますので、ご紹介した参考書を用いて対策をするための期間を設けましょう。
- 試験 1 週間前過去問で午後問題の実力チェック & 午前問題の対策を行う
午前問題は試験直前に適当に対策すれば OK です。
午前Ⅰ対策は、応用情報技術者試験の午前問題を 3 年分くらい繰り返し解きましょう。
午前Ⅱ問題については、この時点で午後試験に合格できるレベルに達していれば対策など必要ないくらい簡単なのですが、一応過去問を 3 年分くらい解いておきましょう。
初見でも合格ラインの 60 % は解けるはずです。
午前問題の対策のために数週間~数ヶ月も時間を取る必要はありません。
以上、ネットワークスペシャリスト試験に合格するためのお勧め参考書と勉強の流れ、勉強のコツをご紹介しました!
ネットワークスペシャリスト試験の難易度と合格率の推移、情報処理安全確保支援士試験や CCNA・CCNP との難易度の比較、合格に必要な勉強時間などは「ネットワークスペシャリストの難易度と合格率の推移、必要な勉強時間」でご紹介していますのであわせてご覧ください!