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ビルメンに必要な 4 つの資格が「ビルメン4点セット」と呼ばれるようになって久しいですが、2021年の現在でもビルメン4点セットは需要があるのでしょうか?
この記事では、ビルメン4点セットの取得優先順位、それぞれの資格の難易度と需要、取得するメリットなどのを現役ビルメンが解説します!
ビルメン4点セットとは
ビルメン4点セットとは、ビルメン業界 (設備管理業界) で働く上で取得しておくことが望ましい4つの国家資格の総称です。
- 第二種電気工事士 (電工2種)
- 二級ボイラー技士 (2級ボイラ)
- 危険物取扱者 乙種 4 類 (危険物 乙4)
- 第三種冷凍機械責任者 (冷凍3種、3冷)
ビルメン4点セットの需要と難易度
取得の優先順位
ビルメン4点セットを取得する上での優先度、取得する順番のお勧めは以下の通りです。
1 位:第二種電気工事士
2 位:第三種冷凍機械責任者
同率 3 位:二級ボイラー技士、危険物取扱者乙種 4 類
この順位をつけた理由と個々の資格の需要、難易度を見ていきましょう!
第二種電気工事士
第二種電気工事士 | ||
優先度 | ★★★★★ ★★★★☆ (9/10) | |
難易度 (筆記) | ★☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ (1/10) | |
難易度 (技能) | ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆ (3/10) | |
需要 | ★★★★★ ★★★☆☆ (8/10) | |
公式サイト | 電気技術者試験センター |
資格の需要面でも、受験機会の面でも、まず優先して取るべきなのは第二種電気工事士です。
ビルメンが大掛かりな配線入替えや施工などを伴う電気工事をすることはありませんが、コンセントやブレーカー、照明器具の安定器などをちょっといじるだけでも電気工事士の資格が必要ですので、ほぼ全ての現場で需要があると言えます。
筆記試験の難易度は易しいです。過去問を数年分解いて理解しておけば問題なく合格できるでしょう。
毎年計算問題が 7 ~ 10 問程度主題されますが、計算問題が苦手な方は全て捨ててしまっても他の問題ができれば合格できます。
技能試験は人によって難易度が別れるところですが、練習を積んでおいて本番で焦らなければ確実に合格できます。ただし、練習に一定期間が必要なので余裕を持って準備する必要があります。
個人的には、技能試験の内容よりも、練習のための工具や器具、電線を揃えるための出費を捻出する難易度が高いなと感じました笑 全部で2万円以上は必要です!
「2020完全版!第二種電気工事士に合格する勉強のコツと参考書まとめ!」の記事では、計算問題が苦手な方でも筆記試験に合格できる攻略法や、技能試験を有利に進めるために持ち込むべき便利ツールなど、電気工事士試験に合格するための情報が詰まっているので是非参考にしてください!
第三種冷凍機械責任者の需要と難易度は?
第三種冷凍機械責任者 | |
優先度 | ★★★★★ ☆☆☆☆☆ (5/10) |
難易度 | ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆ (2/10) |
需要 | ★☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ (1/10) |
公式サイト | 高圧ガス保安協会 |
業務用の空調や冷凍庫などに使われる冷凍機械と呼ばれる設備を管理するための資格です。
近年ではこの資格を必要としない現場が増えていますので、需要は低下傾向です。
需要は低いのに優先度が高い理由は、受験機会が年に1度、毎年11月だけだからです。
危険物乙4や2級ボイラと受験時期が被った場合は、冷凍機械責任者を優先すべきです。
資格自体は必要でない現場でも早く取得したい理由がありますよね。資格手当とかね!
それは冗談ですが、現場で資格が必要なくても、例えば空調設備の不具合で外部業者に直してもらって原因などの説明を受ける際に、専門用語がちんぷんかんぷんでは流石に恥ずかしいですからね!
資格が必要ない現場で資格手当が貰える理由もここにあると思います。
難易度ですが、過去問を数年分理解しておけば受かりますので易しいレベルです。
3 日間の講習を受ければ筆記試験の「法令」以外が免除される制度もありますが、講習費用が高いので、第一種を受験するならまだしも、第三種や第二種程度では必要ありません。
冷凍機械責任者試験の講習の必要性については「第二種冷凍機械責任者の難易度と独学で合格する勉強方法・参考書」の記事でも紹介しています。
二級ボイラー技士
二級ボイラー技士 | |
優先度 | ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆ (5/10) |
難易度 | ★☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ (1/10) |
需要 | ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆ (2/10) |
公式サイト | 安全衛生技術試験協会 |
こちらも冷凍機械同様、ボイラーを設置していない現場が増えてきていますので、資格の需要自体は低下傾向です。
ですが、やはりビルメンとして知っておきたい知識が学べるので取得しておくべきでしょう。
筆記試験は全国各地でほぼ毎月実施されていて、試験内容も過去問の類似問題ばかりですので難易度は易しいです。
ボイラー取り扱いに関する実務経験の無い人がボイラー技士の免許を受けるためには、3 日間のボイラー実技講習を受ける必要があります。
3 日間拘束される、講習費用が高額という理由から、ビルメン会社に入ってから会社に費用を出してもらって取得するのが良いです。
危険物取扱者 乙種4類
危険物取扱者 乙種4類 | |
優先度 | ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆ (2/10) |
難易度 | ★☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ (1/10) |
需要 | ★☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ (1/10) |
公式サイト | 消防試験研究センター |
危険物乙4はビルメンに必須みたいに言われがちですが、ほぼ需要はありません。
そもそもなぜビルメンに危険物取扱者 乙種 4 類が必要かという話ですが、ボイラーの燃料として重油が使われていて、重油を保存管理するためには危険物取扱者の乙種 4 類が必要なのです。
上述したようにボイラーを設置している現場が減少している現状では、危険物取扱者乙種4類の需要も同様に低下しています。
さらに、全国各地で年に数回受験できるという受験機会の多さ、数日の勉強で合格できるレベルの難易度の易しさから、いつでも誰でも簡単に取れるということで需要は低いです。
危険物取扱者試験の難易度・合格率・需要・オススメ参考書などは以下の記事で詳しく紹介しています!
ビルメン4点セットはもう古い!
個人的にはビルメン4点セットとしてこの 4 つを示すのはもう古く、需要の無い冷凍機械責任者を外し、新たに消防設備士を加えるべきだと思います。
ビルメンが駐在する現場で消防設備が設置されていない現場は存在しません。
消火栓・スプリンクラー等の1類、火災報知設備等の4類、避難器具の5類、消化器の6類など、身近な設備に関する知識が学べます。
僕は消防設備士の8種類(特類、1類~7類)を全類取得しています。消防設備士試験に合格した際の勉強方法やおすすめの参考書などは「消防設備士全類を約1年で取得!受験する順番は?科目免除しないほうが有利って本当?」で紹介していますので、よろしければご覧ください!
資格自体に需要は少ないけど勉強しておこう!
ビルメン4点セットと呼ばれる資格のうち、第二種電気工事士以外の 3 つの資格の需要は低いですが、ビルメンとしては知っておきたい知識が学べる資格ですので、勉強して取得しておきたいところです。
実際に施工管理を行うのはそれぞれの設備を専門とする会社ですが、何か異常が起こった際に現場で一次対処を行うのはビルメンですので、広く浅く色々な知識を身につけたいですね!